建築基準法で階段の寸法は規定されています。
住宅の階段なら蹴上げ(段と段の垂直距離です)は21cm以下踏面(足をのせる水平の面の距離のうち蹴込みは含まない距離です)は16cm以上と決められています。
小さい住宅の場合
法規すれすれで作ることも希ではありません。
法規の限界ぴったりに作れば
その角度は
約52度となり相当きついものになります。
踏面16cmの場合下りる時には蹴込みは使えませんので16cmのところに足をのせる必要があります。
つま先はのせなくても少なくとも親指の付け根は階段にのせないと安全には使えません。
また蹴上げ21cmでは上がる時に膝を相当曲げないと上がることが出来ません。
膝の曲げ伸ばしに傷みを生じている人には相当辛くなります。
この階段を現在の場所で
安全な階段にするためには
どのようにすれば良いでしょうか。
普通の
階段にするには
現在の階段を撤去して
新しい階段を作ることになります。
新しい階段は緩い階段ですから
広い面積が必要です。
まず第一に
平面図で階段が広くなっても支障がないことが必要です。
次に階段が上下に繋がることから
梁や柱に当たらないことが必要です。
建物には
重要な梁や柱があります。
補強して取り除けるものもあれば
取り除くことができないものもあります。
例えば下のような平面図の場合
1階で図面下に伸ばすと入口がから出てしまうと同時に大梁に当たってしまいます。
2階で図面上に伸ばすとお部屋の中に入ってしまいます。そのうえ下のトイレや洗面所は使えなくなってしまいます。
緩やかにするには相当の努力が必要です。
その上階段を使えない日数が出来てします。
事実上住みながらの階段のリフォームは無理です。
ここからお話が変わります。
この段違い階段カバータイプの開発のきっかけは
以下のようです。
1917年4月頃
健康番組で
スクワットが良い放送していたので
スクワットをしました。
深くした方が
効果があるというので
深くしたのですが
何分年齢が当時は64歳ですので
膝を痛めてしまいました。
私は
2階住まいです。
普通の階段で
それ程
急ではありませんが
その階段が
上れなくなりました。
右足の膝を痛めたのですが
右足が
曲げて力が出せません。
上る時
右足を挙げて
上の段に
足を置き
力を出して
上がろうとすると
痛みが出ます。
そこで
左足で上がって
右足を同じ段に置いて
上らねばなりません。
一段ずつ
上るやり方です。
私が
いままでに
開発した
段違い階段では
段の奥行きは
広くなりますが
一段当たりの高さは
変わりません。
今までの
段違い階段では
膝が痛いことには
対処できません。
一段当たりの
高さを
低くする必要があるのです。
そこで
蹴上げを低くする方法を
数日考えていました。
ある日
現状の階段の断面図と
あるべき蹴上げをもった互い違い階段の図面を
重ねてみました。
つまり既存階段の断面図
段違い階段カバータイプ 既存階段部分
と
あるべき蹴上げを持った段違い階段の断面図
段違い階段カバータイプ 段違い階段部分
を重ねてみたのです。
既存階段に段違い階段が入り込まないようにしなければならないのですが
もっと段違い階段のほうが出ると思ったのですが
意外と出ないのです。
最小限の出になったのです。
これだと思いました。
段違い階段の図面の出来上がりです。
概念図は以下のようです。
段違い階段カバータイプ 図面を重ねたところ
実際の製作のための施工図は
段違い階段カバータイプ 図面
こんな感じです。
そこで製作を開始しました。
材木の切断を精度良くするために
スライド鋸を
少し改造して
切断長さを大きくしてから
取付をはじめました。
こんな風に作ったのです。
出来上がった時には
膝が治っていたので
膝が痛くても上れるかどうか確かめていません。
上ってみると
緩くて
すこし「ぬるい」感じがしました。